ハワイに住んでみて不思議に思ったことは、ハワイ人ってみないなぁと感じたことでした。ハワイ人(ネイティブハワイアン)の文化を象徴する、フラダンス、サーフィン、熱帯で育つ花で作られた首飾りレイなどはワイキキを歩いていると必ず目にしますし、ホテルでは、”アロハ”とあいさつを交わします。これらの文化の起源はハワイ人なのですが、彼らに出会う機会は少なく限られています。では、彼らはどこに住んでいるのでしょうか。キャプテンクックがハワイを発見して以来、人口が激減したというのは、よく聞く話ですが、今現在どのくらいのハワイ人たちがハワイに住んでいるのでしょうか。ここでは、ハワイ人の人口の推移を追ってみたいと思います。そして、現在ハワイ人はどこに住んでいるのかを明らかにししてみましょう。
ネイティブハワイアンの人口ってどのくらいですか? -人口の推移
ハワイのネイティブハワイアンは、現在の島の人口の6%を占め、部分的にハワイアンを含めると21%に達します。1778年のジェームズ・クック船長の到着時点で、島には約683,000人のネイティブハワイアンがいたと推定されていますが、これは議論のある推定値で、20万人から100万人の範囲です。
クックの到着からわずか2年でネイティブハワイアンの17人に1人が死亡し、1800年までに人口は48%減少しました。さらに1820年までに71%、1840年までに84%減少しました。麻疹や水痘、ポリオ、結核などの感染症が主な原因でした。
1920年までにネイティブハワイアンの人口は24,000人未満に減少しましたが、1980年代以降、州内および全国で急増し始めました。2013年の国勢調査によれば、州内には298,000人、全国では560,000人以上のネイティブハワイアンがいます。この増加は、複数の人種を選択できるようになった2000年の国勢調査の影響もあります。
また、ネイティブハワイアンは他の人種との結婚率が高く、高い出生率も増加の要因です。州内のネイティブハワイアン人口は2045年までに50万人以上、2060年までに67.5万人以上に達すると予測されています。これは、U字型の人口回復として珍しいケースです。
ネイティブハワイアンの人たちは、どこに住んでいるんですか?
2020年の米国国勢調査によると、ネイティブハワイアンの55%がハワイ州外に住んでおり、アメリカ本土に住むネイティブハワイアンの人口がハワイ諸島を上回っています。ハワイ州以外でネイティブハワイアンの人口が多いのはネバダ州、カリフォルニア州、ワシントン州です。調査対象のハワイに住むネイティブハワイアンの約40%がハワイからの移住を考えていると回答しています。
現在ハワイでは平均的な住宅価格が85万ドルから90万ドルで、月々の住宅ローンは約3,500ドルから4,000ドルになります。多くの人々は生活費が高いため経済的理由によりアメリカ本土へ移住しています。このトレンドは今後も続くと予測されています。
まとめ
ネイティブハワイアンの人口は歴史的に大きな減少を経験しましたが、近年では顕著な回復を見せています。1778年のクック船長の到着以降、様々な病気や外部の影響により、人口は劇的に減少しました。しかし、1980年代以降、ハワイ州内外でネイティブハワイアンの人口が増加しており、その傾向は続くと予想されています。この増加には、高い出生率や異人種間結婚が影響しています。また、生活費の高騰により、多くのネイティブハワイアンがアメリカ本土に移住しており、その数はハワイ諸島を上回っています。
元々、東南アジアから海洋民族ポリネシア人ととして長い航海を経てハワイにたどり着いたハワイ人たち。現代も東へと移動を続けています。そして、今後もネイティブハワイアンの人口動態は変化し続け、特に2045年以降のさらなる増加が予測されています。
参考資料
- After 200 years, Native Hawaiians make a comeback | Pew Research Center
- Majority of Native Hawaiians don’t live in Hawaiʻi, according to US Census report | Hawai’i Public Radio (hawaiipublicradio.org)
- Why is Las Vegas considered the 9th island for Hawaiians? (ktnv.com)
- Aloha ‘Oe: Population Migration Between Hawaii and the U.S. Mainland – UHERO