ワイルドライフハワイは、自然体験から気候変動、石油枯渇、食糧安全保障、生物多様性などの複雑に関連し合う緊急課題についてみなさんと一緒に考えていきます。
生物多様性
生物多様性とは、生物界の多様性を示します。同じ種でも生存する地域や個体間での形態や遺伝子的に違いがあります。生物多様性とは、生物の数、変化、変異性などを表す言葉として用いられます。国連環境計画[1]は、森林、河川、湿原、干潟、さんご礁などの生態系の多様性、動植物から細菌までの種の多様性、同じ種も異なる遺伝子の多様性、の3つのレベルで多様性を定義しています。
なぜ生物多様性なのか?
60年代頃から環境汚染や公害が社会問題化してきました。その頃から「自然保護」運動が始まるようになりました。米国では早くから市民活動やNGOなどによって絶滅危惧種やそれが危機に瀕した自然を守る活動が行われるようになりました。
1970年代には、それらの環境問題に対してさまざまな国際条約が採択されました。1971年にイランのラムサールで水鳥と湿地に関する国際会議が開催され、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されました。1972年にパリで開かれた国際連合教育科学文化機関(UNESCO)総会において、自然遺産を保護する「世界遺産条約」が採択されました。1973年にワシントン会議で絶滅の危機に瀕した野生動植物の取引を規制するワシントン条約が採択されました。
しかし、これらの条約制定後も絶滅危惧種は出続け、種や生態系を保全条約等の特定のルールを作って保全するやり方ではうまくいかないことがわかってきました。
なぜ絶滅危惧種が出てくるか?生態系を無視した開発によって種が生存できる環境、生態系が失われてしまっているからです。1980年代に国際自然保護連盟(IUCN)などの国際会議で「自然保護」では、地球全体の生物の豊かさは守れないという問題が提起され、生物の多様性を包括的にみる国際的な条約の必要性が叫ばれるようになりました。
そして、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)で「生物多様性条約」が採択されるにいたりました。
参考:
国連環境計画: http://www.unep-wcmc.org/what-is-biodiversity_50.html
環境省生物多様性ホームページ:http://www.biodic.go.jp/biodiversity/index.html